【海外赴任で折れぬ者へ】途中で挫折しないための“8つの心構え”──原因別実戦マニュアル

【海外赴任で折れぬ者へ】途中で挫折しないための“8つの心構え”──原因別実戦マニュアル

──海外赴任。それは栄誉であり、試練でもある。
だが、途中で折れてしまう者も、少なからず存在する。
彼らと“やり抜く者”の違いは何か? 本記事で明かそう。


申し遅れました。
本記事の案内人、磯賀場 真我(いそがば まわれ)と申します。
かつて「使えないエンジニア」と揶揄された時期もあった私だが、
転職と海外赴任を経て、5年間で約600万円の年収アップを実現。
「もっと早く知っていれば…」と思う仕事のコツや、評価されるポイント、
遠回りのようで確実な「急がば回れ」の仕事術、年収を上げるために本当に必要な考え方と行動を伝えている。
以下の記事もあわせて読むことで、この記事や本ブログの主旨への理解がより深まるはずだ。

▶️ このブログの全体像(年収アップメソッドの概要)
▶️ 年収推移の実例(5年間で年収600万円アップの軌跡)


はじめに:海外赴任は「選ばれし者」の挑戦だが…

分かれ道の先に、世界が広がる

海外赴任は、キャリアの大きな転機となり得るチャンスである。
昇進の伏線、年収アップの突破口、グローバル人材としてのステップアップ──目指す価値ある場所だ。

だが、現実には途中で帰任する者も一定数存在する。

あるグローバル人材調査では、10人に1人が赴任1年以内に帰任しているという。
だが、これは氷山の一角にすぎない。
体調不良、家族問題、現地適応の失敗──企業が公にしない“実質的途中離脱”は、さらに多いのだ。

では、離脱に至る“8つの落とし穴” と、それを回避する“8つの心構え” を順に見ていこう。

物理的な準備に関しては、以下記事を参考にしてほしい。
【海外赴任が決まった者へ】渡航前に備えるべき“7つの戦略的準備”──失敗なき船出のために


①【文化ギャップ】── 異文化は“攻略対象”と捉えよ

最初に多くの人がぶつかるのが、現地の価値観や働き方の違いである。
会議での発言スタイル、上司との距離感、YESとNOの表現方法──日本の常識は海外では通用しない。

ここで「無理だ」「合わない」と思えば、離脱は一気に現実味を帯びる。

だが私はこう言いたい。異文化は“攻略対象”だ。

ゲームと同じだ。違いを知り、戦略を立てればいい。
英語力よりもまず、「自分の常識を疑う力」を鍛えるべきである。


②【家族トラブル】── ゴールを “家族で共有” しておけ

帯同した家族が現地生活に馴染めなかったり、単身赴任による心の距離が開いたり──
家族とのすれ違いは、離脱要因として無視できない。

だからこそ、「なぜこの赴任を引き受けたのか」「何を得たいのか」を、出発前にしっかりと共有しておくべきだ。

家族はサポート役ではない。共に戦う“当事者”である。


③【業務プレッシャー】── あえて “逃げ道” を用意せよ

海外では、日本以上の裁量や責任を任されることが多い。
その分、プレッシャーで押し潰されてしまう人も少なくない。

だからこそ、事前に「必要であれば見直す余地がある」と上司と合意を取っておくことも有効だ。

逃げ道があるからこそ、踏ん張れる。

逃げることが前提ではない。
構えておくだけで、気持ちはずっと軽くなる。


④【健康不安】── 心と体の “メンテナンス習慣” を持て

慣れない土地、食事、気候、人間関係──海外生活は、想像以上に身体と心を蝕む。
不調を「気のせいだ」と放置してしまうと、気づけば帰任の決断を迫られてしまう。

そこで必要なのが、「自分の状態を定期的にチェックする仕組み」である。

  • 月1回、自分の体調・気分・睡眠の記録をつける
  • 休日の取得を“意識的に”ルーティン化する
  • オンラインカウンセリングなども視野に入れる

長く戦いたければ、“頑張りすぎない力”も必要だ。


⑤【語学・スキルの壁】── 他人ではなく、“昨日の自分”と比べよ

英語が流暢な同僚や、すぐに成果を出す先輩を見ると、自信をなくすのが人情だ。

だが、そこで他人と比べて落ち込んでいては、成長は止まる。

見るべきは、「昨日の自分」との距離である。

今日は交渉で前より踏み込めたか?
昨日よりスムーズに説明できたか?
小さな成長を積み上げる視点こそが、語学不安を超える力になる。


⑥【目的喪失】── 自分の “成功条件” を明文化せよ

忙しさに追われ、気づけば「何のために来たのか」を見失う──これは海外赴任者に多い現象だ。

だからこそ、自分の “成功条件” を出発前に言語化しておくことが必要である。

  • 年収を100万円上げる
  • 英語で営業ができるようになる
  • 現地チームでリーダーシップを発揮する

“何を得たいか” を忘れなければ、迷いは消える。


⑦【自信喪失】── “できたこと”に目を向けよ

できないことばかりに目が行くと、自己肯定感は下がり、帰任したくなる気持ちが強まる。

だが、実際には「乗り越えてきたこと」「小さく成功したこと」が必ずある

  • 初めて一人で現地出張を任された
  • 通訳なしで商談をまとめた
  • 不安な中で半年、1年と継続できた

“実績”ではなく“記録”が、自信の源になる。


⑧【生活の単調さ・孤独感】─ 自分だけの “心の避難所” を持て

静かなる継続が強さをつくる

意外と見落とされがちだが、精神的な息抜きと生活リズムの確保も、非常に重要だ。

私自身、赴任中はブログ執筆や登山を続けている。
同僚は現地でゴルフを始めて楽しんでいる

また、観光や食べ歩きで「現地でしかできない体験」を積極的に楽しむことも大切だ。
馴染みのカフェやレストランが一つあるだけでも、心の拠り所になる。

さらに、週末にルーティンを作っておくのも良いだろう。
迷う必要がないからだ。

  • いつものコースで散歩
  • 馴染みのカフェで読書や自己啓発
  • ジムで汗を流す

「帰りたい」と思う前に、“帰らなくても大丈夫な心の居場所” を作るべきだ。


まとめ:海外赴任は、“折れずに続けた者” だけに見える世界がある

燃え続けよ、自分の中の覚悟

海外赴任とは、英語やスキルの問題ではなく、自分自身と向き合う旅である。
途中で離脱してしまう者と、最後までやり抜く者の差は、運でも才能でもない。

備えていたかどうか──ただそれだけの差である。

とはいえ、海外赴任に向き不向きがあることは否めないので、不向きな自覚がある者は周到に用意すべきだ。


📢 磯賀場 真我からひと言

人は、環境によって折れるのではない。
折れない準備をしていなかったことが、最大の敗因となる。

海外赴任は、己の器を試される舞台だ。
「やりきった」と言えるまで、歩みを止めるな。

健闘を祈る