
「目的なき仕事は、迷走を招く」
──磯賀場 真我
はじめに:成果が出ないのは、努力が足りないからではない
「どうも思うように成果が出ない」「上司からの依頼にどう対応すべきかわからない」──
そんな風に感じたことはないだろうか。
多くの場合、その原因は能力や努力不足ではない。
原因はもっと根本的なところにある。
そう、「目的」が明確になっていないのだ。
本記事では、成果につながる仕事の共通点──「目的の明確化」について、実体験も交えながら解説していく。
申し遅れました。
本記事の案内人、磯賀場 真我(いそがば まわれ)と申します。
かつて「使えないエンジニア」と揶揄された時期もあった私だが、
転職と海外赴任を経て、5年間で約600万円の年収アップを実現。
「もっと早く知っていれば…」と思う仕事のコツや、評価されるポイント、
遠回りのようで確実な「急がば回れ」の仕事術、年収を上げるために本当に必要な考え方と行動を伝えている。
以下の記事もあわせて読むことで、この記事や本ブログの主旨への理解がより深まるはずだ。
▶️ このブログの全体像(年収アップメソッドの概要)
▶️ 年収推移の実例(5年間で年収600万円アップの軌跡)
「南の方に向かってくれ」と言われたら?
仕事において「目的」という言葉は、実によく耳にするものである。
「この仕事の目的は何か?」「結論と目的は合致しているか?」──しかしながら、その意味を本当に理解している者はどれほどいるだろうか。
目的の重要性を腹落ちさせるために、タクシーの例を用いてみよう。
あなたがタクシーに乗るとしよう。
運転手に「南の方へ行ってくれ」とだけ伝えたらどうなるか?
目的地が明示されていなければ、運転手は困惑するだけである。
「真南なのか?南東なのか?それとも南西なのか?」
「そもそも、どこに行きたいのか?」と確認されることだろう。
これと似たようなことが、あなたの職場にもないだろうか?

ところが、行き先さえ明確に伝えていれば、あとは運転手が最適な経路を選び、確実に目的地へと運んでくれる。
現代ならナビゲーションシステムが案内し、最短ルートが導き出されるのが常だ。
仕事も同じである
仕事においても、これは同じである。
「目的」が明確に共有されていれば、指示された側は自らの裁量で最適な手段を選び、成果物を仕上げることができる。
特にベテランであればあるほど、そのルート選定は洗練され、最短距離で成果に至る。
逆に、目的が不明瞭な指示
例えば、 たった1、2行だけの指示メール
数行のメールにダラダラとした文章で記された依頼・・・
これでは、受け手は暗中模索するしかない。
「こういう成果が欲しかったのではない」と後から言われても、既に手戻りが発生してしまっているのだ。
急がば回れ──「目的の共有」は5分の投資で数時間の成果
私が依頼する際は、最低限、以下の3点を明記することにしている。
0.背景、目的
1.アウトプットイメージ
2.期限
この3点があるだけで、受け手は「この目的なら、こういう成果が求められているな」と判断できる。
さらに、目的が明確であれば、想定されるアウトプットに対して、必要な補足作業や先回り提案も行える。
指示されていないことまでも、自発的に対応する者が現れるのは、目的の共有があってこそである。
アプトプットイメージの重要性に関しては、この記事を参照して欲しい。
【年収アップを狙うなら必須】アウトプットイメージで成果が変わる理由とは?
「目的」は羅針盤である
明確な目的が示されていれば、あとは部下が“自動操縦”で進んでくれるようなものだ。
もし、目的が曖昧なまま依頼されたときは、仕事を始める前に必ず確認せねばならぬ。
上司が多忙で聞きにくい場合には、自ら仮説を立て、目的やアウトプットのたたき台を用意した上で相談するとよい。
上司自身も目的を整理できていないケースは、決して少なくないのだから。
まとめ:目的の明確化は、最強の時短術である
- 「目的が曖昧なままの仕事」は、成果につながりにくい
- タクシーの目的地のように、仕事でも「ゴール」を明確にすべし
- 依頼するときは「背景・目的」「アウトプット」「期限」を伝える
- 上司の意図が不明な場合は、仮説ベースでたたき台を用意する
- 明確な目的があるからこそ、部下は能動的に動ける
- 明確な目的があるからこそ、アウトプットの確からしさのチェックができる
磯賀場 真我からの一言
“目的” を示さずして “成果” を語るなかれ。
指示とは、地図ではなく、方位磁針であるべきだ。
方向を示せば、人は自ら進む道を見つけられる。
もしあなた自身が部下に明確な目的を示さず、曖昧な指示や依頼をしていたと感じるのであれば、今すぐ直すべきだ。
なぜなら、出てきたアウトプットに対して意見する権利はないからだ。
健闘を祈る