採用のカギは「一緒に働きたい」と思わせること
世には「面接対策」「履歴書の書き方」「転職成功のコツ」といったノウハウが溢れている。
しかし、それらの多くは「人事部」や「転職エージェント」視点の情報である。
だが実際に選考のカギを握るのは、現場の一次・二次面接を担当する課長や部長──
すなわち、「一緒に働く予定の上司たち」であることがほとんどだ。
本記事では、現場エンジニアとして採用活動を担ってきた筆者が、
リアルな採用基準＝選ぶ側の本音をお伝えする。
実力やスキルがあるのに、“面接受けが悪い”というだけで見送られてしまう──
そんな残念な事態を回避するためにも、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
申し遅れました。
本記事の案内人、磯賀場 真我（いそがば まわれ）と申します。
かつて「使えないエンジニア」と揶揄された時期もあった私だが、
転職と海外赴任を経て、5年間で約600万円の年収アップを実現。
「もっと早く知っていれば…」と思う仕事のコツや、評価されるポイント、
遠回りのようで確実な「急がば回れ」の仕事術、年収を上げるために本当に必要な考え方と行動を伝えている。
以下の記事もあわせて読むことで、この記事や本ブログの主旨への理解がより深まるはずだ。
▶️ このブログの全体像（年収アップメソッドの概要）
▶️ 年収推移の実例（5年間で年収600万円アップの軌跡）
プロの面接官ではない。だが「採用を決める立場」だった
私はエンジニアであり、人事部でも、採用の専門家でもない。
だが、これまで何度も書類選考や面接官として採用に関わってきた経験がある。
採用までの流れのフロー図を作ってみたので参照してほしい。
※私の経験から簡易的に作ったものなので、あくまでも目安だ。
そして断言できるのは──
一次・二次面接を通過した時点で、内定はほぼ確定であるということだ。
その後の人事面接や役員面接は、形式的なものになるケースが大半である。
なぜなら、「この人物をぜひ採用したい」と、現場から明確な意思表示をしているからだ。
つまり、現場面接で「この人と働きたい」と思わせた時点で、採用はほぼ決まっているのである。
磯賀場真我が明かす「採用基準」
以下に、私が採用選考の場で重視しているポイントを整理して記す。
必ずしも、面接官がみなこの視点を持っているとは限らないが、参考になるはずだ。
エンジニア職を前提としているが、他の職種でも考え方は応用できるであろう。
▶ 書類選考で重視するポイント
- 技術分野・スキルレベル
30代中盤以上 ：即戦力となるかどうか
20代、30代前半 ：基本的技術基盤がありそうか - 製品開発や業務経験（どんな領域に強みがあるか）
- 得意な領域・特殊ツールのスキル（社内にない武器を持っているか）
上記が自社や自部署にマッチしているか？が選考基準である。
マッチ度が高ければ、面接へ進むことになる。
特に「自社に存在しないスキル」や「希少性のある経験」は大きな加点要素である。
▶ 面接で見るポイント
- 技術的な深掘り質問に対する受け答え
- 協調性・人間性（ポジティブさ、課題に対する向き合い方）
⇒依頼に対して“できない理由”ではなく、“できる方法”を提案できるか - 特許出願経験 ⇒ 開発業務における視座の高さを示す
- 「今までで最も大変だった／面白かった仕事」への回答内容
⇒ 仕事に対する取り組み姿勢、何を重視しているのか？ - 海外勤務経験・英語力 ⇒ グローバル対応力
- チームとの相性 ⇒ 早くなじめるか？ 離職の可能性
- 尖った強み ⇒ 既存メンバーにない視点・能力、チームを補完できる人材か？
なぜ「プライベートな質問」をするのか？
私の面接では、趣味や休日の過ごし方といったプライベートな話題もあえて聞くようにしている。
その理由は、単なる雑談ではない。
以下のような仕事では見えにくい資質が垣間見えるからだ。
- 探究心・好奇心が高い人か？
- 難題に対して腰を据えて粘れる人か？
- 指示待ちではなく、自ら考え、提案できる人か？
たとえば、マニアックな趣味を持ち、深く掘り下げている人は、
「未知の領域に飛び込み、自ら仮説検証を繰り返すタイプ」であることが多い。
これは、課題解決型のエンジニアとして非常に価値のある特性だ。
また、共通の趣味や価値観を持つことで、仕事外での関係性が築きやすくなる。
実際、そうした接点の多い人材のほうが、チーム内のコミュニケーションも円滑に進む傾向がある。
面接は「企業を見極める場」でもある
忘れてはならぬのが、面接とは“企業側が選ぶ場”であると同時に、“応募者が企業を見極める場”でもあるということだ。
- この会社は自分に合っているか？
- 自分の能力を発揮できる環境か？
- 自分のやりたいことが実現できそうか？
- 条件・待遇は納得できるものか？
採用までは2～4回程度の面接の機会があるので、積極的に質問して自分とのマッチ度を探るべきだ。
その企業へ赴けば、社内の雰囲気を少なからずとも感じ取れるはずだ。
内定をもらったとしても、条件や雰囲気が合わなければ辞退するのは自然な判断である。
選ばれる側である前に、自分が“選ぶ意識”を持つことも大切だ。
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まとめ：「この人と働きたい」と思わせたら、勝ちである
採用の現場で見ていることは、実にシンプルである。
- 即戦力になりそうか？
- チームに合いそうか？
- 一緒に働いたら楽しそうか？
このうち2つ以上が満たされれば、現場面接は通過できる可能性が高い。
だからこそ、形式的な準備だけではなく、
「自分という人間をどう伝えるか」に力を注ぐべきである。
履歴書に書かれていない“あなたらしさ” が面接官の心に届いたとき、
採用の扉は開かれる。
📢 磯賀場 真我からひと言
面接とは、“技術力の審査”ではない。
戦う仲間を選ぶ場であり、
「この人となら、難題にも立ち向かえる」──
そう思わせた瞬間に、勝負は決するのだ。
健闘を祈る。